根管治療
目次
- ・根管治療について
- ・当院の根管治療の特徴
- ・歯の神経が残っているケースの治療法
- ・歯の神経が残っていないケースの
治療法 - ・根管治療が難航しないための取り組み(難症例にも対応)
- ・抜歯が必要なケース
- ・あきらめる前に
- ・よくある質問
根管治療について
根管治療(歯内療法)とは?
根管治療とは、深い虫歯などにより歯の内部の神経がばい菌に汚染され、痛みが出た時に行う歯の根の治療です。歯の神経がある管の内部をキレイに洗浄し、緊密に封鎖することで歯の中に再度ばい菌が入らないようにし、歯の機能の回復を図ります。
歯の根は長さや曲がり方、本数などが一人ひとり異なります。
そのため、根管治療は高い精度が求められる治療であり、全てのばい菌を除去するには非常に根気のいる治療となります。
ばい菌の入り込んでいる深さによって治療回数が異なります。(2~10回程度)
根管が必要な症状とは?
- 歯がとても痛い
- 歯がとてもしみる
- 噛むと痛みがある
- 歯が動揺(グラグラと動く)している
- 歯の奥のほうが痛い
- 歯の下のほうの歯茎が腫れている
- 歯の下のほうの歯茎から膿が出る
- 定期的に歯の下のほうが腫れる
歯が痛くなる原因とは?
虫歯や歯の破折などの原因により、歯の内部の神経の入っている管の中に菌が侵入することで歯の痛みを伴います。
歯の神経が生きている場合は、歯の神経のみをすべて除去することで痛みが取れます。
また、過去に被せた詰め物が古くなり、生じた隙間から歯の内部に菌が入りこんで痛みが出てくることもあります。菌の入り込んでいる場所により様々な症状を伴います。
当院の根管治療の特徴
痛くない治療への最大限の配慮
根管治療は基本的に歯が痛い人に対して行う治療ですので、事前にしっかりと麻酔を聞かせてから治療に入ります。
痛いまま治療を進めることは決してありませんので、ご安心ください。
当院では麻酔においても、33G(髪の毛の細さの針)の極細の針や表面麻酔、電動麻酔を駆使することで、患者様がお痛みを感じることのないよう最大限の配慮をしています。
また、麻酔が効かないほどの症状を呈する方や、麻酔をすることで菌が広がって悪化しそうな病態の場合には、根管治療前に抗生物質で状況を安定させてから後日治療をスタートする場合もあります。
当院の痛みの少ない治療について使用している機器について
これまでは根管という0.2mmほどの細い管の中を手作業で洗浄し、薬剤をつめていたので非常に根気と時間のかかるものでした。
しかし、近年は根管治療の道具も非常に発展し、根管の洗浄やつめる作業を一つの機械で画一的に行うことができるようになっています。
当院で使用している「Xsmart」は、根管の洗浄を統一規格のファイル(感染源を除去する器具)で3回洗浄するだけで根管内をキレイにすることができ、また統一規格の根管をつめる充填物をセメントを付けて差し込むだけで、緊密に根管内を封鎖することができる優れた医療機器です。
根管治療は高い精度が求められる治療ではありますが、機材や医療技術の発達により10年前に比べると非常に楽になっていますので、ご安心ください。
※症状によっては手作業でしかできない歯もあるため、まずしっかりと検査をおこないます。疑問点があればいつでもスタッフまでご相談ください。
滅菌対策・感染予防対策の徹底
根管治療において、菌をいかに取り除けるかが治療成功の分かれ目となります。
当院では使用する器具が汚染されないように専用の保管ケース、滅菌処置、消毒をシステムに沿って徹底して行い、清潔な環境のもとで治療をしておりますのでご安心ください。
高圧蒸気滅菌システム、次亜塩素酸消毒、グルコンサンクロルヘキシジン消毒、超音波洗浄器を機材により分けて用いております。
他院様で「抜歯を薦められた」「治療が上手く進まない」方へ
他院様で抜歯を推奨された方や、治療中で治療が奏功しないという方も、当院へお気軽にご相談ください。
当院であればシステムを駆使することで完治にもっていくことができる場合があります。
また、他のアプローチからの治療も可能かもしれません。
当院には各専門分野のドクターが在籍しています。様々なアプローチの治療方法を提案することができますので、諦めずにまずは一度当院へご相談ください。
歯の神経が残っているケースの
治療法
歯の神経にばい菌が入った場合、冷温水がしみる、ズキズキする、虫歯で空いた穴に物が入ると痛い、噛むと痛いなどの症状が出ます。
神経のみの感染のため、歯の内部の神経を除去することで痛みをなくすことが可能です。
治療の流れ
-
- レントゲン撮影
- 状態確認のためレントゲン撮影を行います。
-
- 歯の神経を取り除く
-
麻酔をして歯の内部の神経を取り除き、痛み止めと消毒薬を歯の中に埋め込みます。
(1回保険診療約¥1,500)
-
- 神経除去後の治療
-
後日、神経を切断した内部の出血を洗い流し、再度神経の入っていた管をキレイにし、形を整えます。
神経の本数によって、この作業を何回か繰り返します。(1~5回)
-
- 閉塞
-
歯の内部が出血もなく、症状がなくなったら神経の内部を閉塞します
(1回)(保険診療3割負担約¥1,000)
-
- 歯の内側を補強
-
神経を取った歯は年々もろくなってきますので、長年使っていただけるよう補強をしていきます。
神経の内部にはグラスファイバーと呼ばれるしなやかな芯をくみこみ
(保険診療3割負担 約¥1,200)、
歯よりも少し弾力のあるレジンで土台を形成します。
そこに、歯の外部を衝撃から守るため、被せ物が被せれるように歯の外形を整えます。
状態が良ければ同日のうちに歯型を取り、被せ物を作るための模型を製作します。(1回)
-
- 完成
- 1週間後被せ物をセットして完了です。(1回)
-
- メンテナンス
- 1週間後使い勝手やかみ合わせのチェックをして問題なければ完了となります。
※根管治療は歯科治療の中でも作業量が多く、回数のかかる治療になります。4~8回程度の治療になります。
根気がいる治療でもありますが、最後まで受けきることが非常に大切です。
被せ物の種類・料金
銀歯 | (保険診療3割負担約¥3,500) |
---|---|
ハイブリッドセラミック | (保険診療3割負担約¥8,000) |
セラミック・ジルコニア セラミック 1~2色使用 |
(自由診療¥19,800+税) |
ジルコニアレイヤリングセラミック オーダーメイド | (自由診療¥31,800+税) |
歯の神経が残っていないケースの
治療法
歯の神経のない歯にばい菌が入った場合、歯の内部でばい菌が増殖し、歯の下の骨にまで菌が入り込んで骨が汚染されます。
古い被せ物に隙間が空き、そこからばい菌がゆっくりと侵入して症状が出てきます。
症状としては、歯の周囲が腫れる、噛むと痛い、歯が浮いた感じ、歯がぐらぐらするなどの症状が出ます。
症状のある時と、症状のない時があるのが特徴です。
また、次第に症状が強くなってくることがほとんどです。微妙な不快感が長く続くこともありますので、何か違和感がありましたらご相談ください。
歯の内部に入り込んだばい菌を除去することで痛みをなくすことが可能です。
骨に入り込んだばい菌も、歯の内部をキレイにすることで自然治癒が期待できます。
治療の流れ
-
- レントゲン撮影
- 状態確認のためレントゲン撮影を行います。
-
- 被せ物・詰め物を取り除く
- 症状に応じて麻酔を施し、歯に埋め込まれている被せ物、土台詰め物などの古くなった人工物を取り除き、痛み止めと消毒薬を歯の中に埋め込みます。(1回保険診療約¥1,500)
基本的には古い人工物のため完全に取り切るためには時間と労力が必要です。
-
- 人工物除去後の治療
- 内部のよごれや人工物の除去、洗い流しを数回行い管をキレイにして形を整えます。
神経の本数によって、この作業を何回か繰り返します。
(2回~)(保険診療3割負担約¥100~200)
-
- 閉塞
- 歯の内部がキレイになり、症状がなくなったら神経の内部を閉塞します
(1回)(保険診療3割負担約¥1,000)。
ここでは歯の内部1/2が緊密に詰まっている状態です。今後は歯の形を戻していく作業となります。
-
- 歯の内側を補強
- 神経を取った歯は年々もろくなってきます。
長年使っていただけるよう補強をしていきます。
神経の内部にはグラスファイバーと呼ばれるしなやかな芯をくみこみ
(保険診療3割負担 約¥1,200)、
歯よりも少し弾力のあるレジンで土台を形成します。
そこから歯の外部を衝撃から守るため、被せ物が被せれるように歯の外形を整えます。
状態が良ければ同日のうちに歯型を取り、被せ物を作るための模型を製作します。(1回)
-
- 完成
- 1週間後被せ物をセットして完了です。(1回)
-
- メンテナンス
- 1週間後使い勝手やかみ合わせのチェックをして問題なければ完了となります。
歯科治療の中でも作業量が多く、回数のかかる治療になります。5~10回程度の治療になります。
昔よく使用されていた銀歯が6~8年ほどで歯の内部に隙間が空いてくると言われています。
個人の噛む力によって耐用年数は大きく変わりますが、定期的に歯医者でチェックを行い被せ物に不具合がないかチェックしていきましょう。
被せ物の種類・料金
銀歯 | (保険診療3割負担約¥3,500) |
---|---|
ハイブリッドセラミック | (保険診療3割負担約¥8,000) |
セラミック・ ジルコニア セラミック 1~2色使用 |
(自由診療¥19,800+税) |
ジルコニアレイヤリングセラミック オーダーメイド | (自由診療¥31,800+税) |
根管治療が難航しないための
取り組み
歯の神経の管の形態は人によって様々です。管が極端に細かったり、極端に湾曲している場合には器具の到達に時間がかかるため、治療が長引く場合も多々あります。特に奥歯は1本の歯に対して3~4本の神経があるため、症状の消失や器具の到達に時間がかかる場合も少なくありません。
そこで当院ではドイツsirona社のXsmartという先進の根尖到達器具を使用することで、
そうしたケースにおいても最大限の対応が可能です。
他院様で治療が難しいと診断された場合などにも、可能なかぎり抜歯にならないよう他の治療方法も含めて検討し、ご提案しております。
難治症例に対する外科処置(歯根端切除術)といった治療法も可能です。根っこの先っぽの治療についての疑問や治療前の相談など、いつでもスタッフまでご相談ください。
抜歯が
必要なケース
稀に根管治療が奏功しないケースは見受けられます。歯の内部はキレイだが、症状のみが引かないケースです。
歯の根の先は曲がったりミクロのレベルで分岐していたりしていることで、軽微な症状だけが残ってしまうためです。
こうしたケースでは原因の根っこの先のみをピンポイントで切除して、症状が消えれば問題ありません。
しかし、それでも症状が残存する場合、根が複数存在する場合は原因根(1/2~3)のみの分割除去の検討歯を分割すると持たないと判断される歯に対して、はじめて抜歯の検討をします。
このような難治症例の場合は、経過を見ながら治療を進めているので長期間の治療回数がかかることが多いです。
可能なかぎり抜歯にはしないよう全力を尽くしますが、残念ながら抜歯になるケースも稀にあるようです。
しっかりとカウンセリングを行いながら治療を進めてまいります。
また、症状がほんの少し残っていて、自然治癒を望めそうであれば仮歯として1年ほど経過を見ることもあります。
あきらめる前に、一度ご相談ください
心斎橋より徒歩6分・松屋町駅より徒歩4分・長堀橋駅より徒歩2分の歯医者・あい歯科では、年中無休でお口周りのお悩みにお応えしています。
なんとか「歯を残したい」という患者様のお気持ちに寄り添い、あらゆる治療の選択肢をご提案させていただいております。
他院で抜歯と診断された方も、あきらめる前にまずは一度当院へご相談ください。
よくある質問
歯の神経の治療は
何回かかりますか?
歯の神経の治療は、神経の入っている管の中を無菌化するために行われます。
歯の管は前歯と奥歯で形や大きさが大きく異なり、管の形がシンプルで小さければ治療回数は少なくなり、大きく複雑であれば治療回数は増える傾向にあります。
一概に治療回数をいうのは困難ですが
前歯で最短2回 平均3~4回程度
奥歯で最短3回 平均5回程度
を目安とするとよいでしょう。
ただし、汚染具合により治療回数は大きく異なり、最長治療期間は半年に及ぶケースも約1/300歯の確率で存在します。
まずは歯の状態を確認するためにレントゲン撮影をし、治療回数の予測を歯医者さんに聞くとよいでしょう。
費用はいくらくらいですか?
神経の治療は保険診療で施術することがほとんどです。
初回の診療では、初診料とレントゲン撮影と神経治療を含めて約¥3,000~¥4,000が目安となります。
初回~神経治療を終えるまでの費用は¥4,000~¥6,000が目安となります。
これに加え土台と被せ物の費用を加えた費用が総費用となります。
神経治療が終わったら被せ物にしなければいけませんか?
基本的には神経治療を行った歯は、最終的には被せ物にする必要があります。
神経のない歯は天然歯に比べて弾力が減り、ひび割れや破切が起こりやすくなるため人工物で歯を補強する必要があります。
歯が割れてしまうと、そこから歯の内部~歯槽骨に細菌感染を起こし痛みが発現し歯が悪くなってしまいます。
この歯が割れるという表現は、目に見えるものも当然含まれますが、肉眼で確認できない微小なひび割れ(マイクロクラック)も含まれるのが怖いポイントです。
神経の管の中には「グラスファイバー」とよばれる補強芯を埋め込み、歯の外周は「銀歯」や「ハイブリッドセラミック」や「セラミック」や「ジルコニアセラミック」などその歯に合った強度の被せ物を被せることで歯は補強されます。