口臭の原因物質は、舌の上でもっとも多く作られる!
唾液が臭くなるのは、舌苔の上にできた「揮発性硫黄化合物(VSC: Volatile Sulfur Compounds)」という物質が、唾液に混ざり合うことが原因です。
そして、この「揮発性硫黄化合物(以下、VSCと呼びます)」という物質こそ、口臭の原因だといわれています。
口の中にいる「嫌気性菌」という種類の細菌が、タンパク質やアミノ酸を分解して「揮発性硫黄化合物(VSC: Volatile Sulfur Compounds)」という物質を作ります。これが口臭の主たる原因物質です。
このVSCは、舌の上にある舌苔を使って作られることが多いため、単純に、舌苔の多い人ほど、口臭がキツくなりそうですね。
ちなみに、舌苔とは、死んだ細胞や新陳代謝ではがれた粘膜上皮の細胞や、食べ物の“かす”などが舌の上に溜まったもの。
死んだ細胞が舌の上にたくさん乗っている絵をイメージすると、口が臭くなるイメージが容易に想像できます・・・。
ただ、この舌苔の量は、時間帯や体調によっても変化します。
だから、口臭って、時間帯や体調によって変化するんです。
というわけで、舌苔が口臭の一因であることが分かりました。
「なるほど!じゃあ、舌苔を綺麗にすれば、口臭は消えるんだ!
舌ブラシも市販されてるし、それを使って舌苔を掃除してみよう!」
・・・と思った方、ちょっと待ってください!
舌苔を清掃する「舌清掃」のやり過ぎには注意!
先ほど、舌苔が口臭の原因だと書きましたが、市販の舌ブラシなどで舌苔をとりすぎると、かえって細菌が繁殖しやすくなるリスクがあります。
ですので、舌のお掃除(舌清掃)をする際には、十分な注意が必要です。
そもそも、舌苔は誰にでもあるもの。
口臭がひどくない限りは、舌苔があっても、基本的には心配要りません。
ただ、もし、口臭がひどくて舌清掃をしたい場合には、以下の方法を参考に、1日1回程度、優しくお掃除をしてみてください。
舌清掃は、毛先の柔らかい小児用の歯ブラシや目の粗いタオルなどを使ってもかまいませんが、専用の舌ブラシを使うとより効果的です。
以下の手順で行ってください。
- 鏡を見ながら舌を思いきり前に突き出して、舌の後方に舌苔がついていないか確認してください。
- 舌ブラシを鏡で見える最も奥に軽くあて、手前に引いてください。
決して力を入れ過ぎないようにしてください。
またこの時に息を数秒間止めながら行うと、嘔吐反射が出にくくなります。- 舌ブラシの先を水道の水でよく洗い、舌ブラシの先に汚れ(舌苔)がついてこなくなるまで、「1」「2」を繰り返してください。
一日の舌清掃の回数は、起床時の一回で結構です。
それ以上行うと舌の粘膜を傷つけるおそれがあります。
また、舌に傷や潰瘍があるときは、舌清掃を中止してください。