健康な歯は、人間が生きていく上で非常に大切なものです。その歯が虫歯になったりあるいは失われてしまった場合、それを補うために詰めものや被せものをしなければなりません。 これらは24時間、皆様の口の中に入っているものですから、そこに使われている素材の特徴を知っておくことは、皆様にとって大変重要な事と考えています。
詰めもの・被せものの素材は、大別すると、金属、レジン(樹脂)、セラミックスの3種類に分けられます。。
詰めもの・被せものの素材は、大別すると、金属、レジン(樹脂)、セラミックスの3種類に分けられます。。
金属は、物理的強度に優れ、また精密に加工しやすいことから、昔から歯科用材料として広く使われてきました。口の中という過酷な条件下で錆びたり、あるいは、壊れにくい材料としては、貴金属が挙げられます。貴金属の代表としては、金や白金がありますが、これらは単価が高く、健康保険の適用は受けておりません。その代用品として健康保険の範囲内では、下記の金属が使用されています
主に乳歯の詰めものや永久歯の被せものの土台に使用されます。強度は弱く直ぐに黒ずみます。健康保険適用の金属です。
昔から使われている材料です。銀の粉末を水銀に混ぜて固めるもので、削ったその場でつめてしまうものです。しかし当医院では、水銀を使用している事・詰めものの周りの歯や歯肉を黒く変色させる事、などの理由から使用しておりません。健康保険適用の金属です。
純金(24K)は、軟らかすぎて歯科ではあまり使用しません。主に、20K、18Kなどの合金が使われます。延びが良いため金属と歯との境界部分のなじみが良く、 また錆びる事が無いため、優れた材料といえます。健康保険適用外の金属です。
金合金に硬さを与えるため、白金を加えたものです。当医院では金属床(金属の入れ歯)に使用しています。健康保険適用外の金属です。
長く入れ歯用金属として使用され、信頼性も実績も高い材料です。金属床用としては標準的な材料です。健康保険適用外の金属です。
金属中、最も身体に安全なものです。金属アレルギーの心配はありません。医科の分野では、代用骨、人工関節などで、直接体内に埋め込まれています。歯科では、顎の骨に手術をして埋め込む人工歯根(デンタルインプラント)の材料として使われています。また比重が小さいため軽量な金属床にも使用しています。優れた特性を持っていますが、加工が難しく、加工に高額の費用がかかることが難点です。健康保険適用外の金属です。
以上、現在歯科で使われている金属の代表的なものをご説明致しましたが、金属を体内に入れる場合、下記の点も注意しなければなりません。
人間の唾液は、電氣を通す性質があります。そのため異なった種類の金属が口の中に存在すると微量の電流が発生し金属イオンが溶け出します。ときに神経を刺激し痛みを感じたり、味覚に異常を来すこともあります。また金属アレルギーを生じ易くする原因ともなります。ですから、歯の治療に際しては同じ種類の金属か、金属以外の材料を使用する方が賢明です。
アレルギー体質の方やピアス・ネックレス・指輪などの装飾品で肌荒れをおこした経験のある方は、チタンか金属以外の材料を使用されるのが賢明です。
当院での技工物は全て国内で製作された物であり、また技工物原材料や薬剤も国内で製造・精製された材料や薬事法で認可を受けた輸入材料のみを使用しております。患者さんから御質問の有ったような技工物や薬剤は一切使用しておりません。詳細をお知りになりたい方はスタッフにお申し付け下さい。
強度は高いのですが、硬過ぎるが故に対合歯(噛み合う反対側の歯)が摩耗しやすくなります。また酸化(錆びる)する事で金属自体が黒ずんだり、触れている周りの歯肉が黒ずんだりする事があります。
金属アレルギーの方はお勧めできません。