おかげさまで、長堀橋の歯医者・あい歯科も事業規模が大きくなってきており従業員数も数十人規模まで増えております。
従業員が増えてくると、考えなければならないことが「医業の倫理」についてです。
「医療」は受ける側、行う側にもともに『倫理』と『ルール』があります。
それがあることによって、スムーズな治療を行うことが出来ます。
医療の根本、原理原則である医療業界の『倫理』も覚えておくと、患者様ご自身や大切な家族が病院にかかったときにお話がしやすいかもしれませんね。
このページを見て歯科医療の知識を少しでも得て頂ければ幸いです。
医療機関における倫理観について
例えば、あなたは飲食店にご飯を食べに
行こうと思ってお店に予約の電話をしたとします。
あなた
『今日の17時にディナーの予約を取りたいのですが。』
お店
『申し訳ありません。本日は満席でございます。』
あなた
『ほかの日にちで空いているところありますか?』
お店
『明日の19時はいかがでしょうか?』
あなた
『それでお願いします。』
通常であればこんな感じですよね?
では、歯医者を含めた医療機関の場合はどうでしょうか。
あなた
『顔が腫れてめちゃくちゃ痛いです。今から行っても大丈夫ですか?』
歯医者
『本日は予約がいっぱいです。明日の18時はいかがでしょうか?』
あなた
『え。。。』
そうなんです。
医療機関が飲食店やほかのサービス業と一線を画すところはここにあります。痛みや腫れなどの状態がひどい急患は即時受け入れなければならないのです。だって、後回しにするともっともっとひどくなるわけですから当然ですね。
でも、本当に事前予約が詰まっている場合もあります。
そうした時は何とか調整して患者様を受け入れるわけですが、このとき医業倫理観がない、そもそも患者様の緊急度にピンとこないと、大変なことになってしまいます。
だからこそ、院内スタッフ全体で倫理観を統一する必要があるのです。
医療の上での倫理について
○倫理的に考えることとは?
「いま、何をどうするべきか」、「いま、何をするのが最もよいことなのか」、「どのような判断が最も適切なのか」を考えながら行動することであり、多くの人々が日常的に行っていることのことです。これは、医療現場においても例外ではなく、医療の発展、進歩とともに、医療従事者はさまざまな問題のなかで倫理的判断を迫られます。
日々直面する問題に対して、より適切な行動がとれるよう、いかに判断し、どのように行動するかを考える倫理的考察が必要とされています。
「いま、何をどうするべきか」、「いま、何をするのが最もよいことなのか」、「どのような判断が最も適切なのか」を考えながら行動することであり、多くの人々が日常的に行っていることのことです。これは、医療現場においても例外ではなく、医療の発展、進歩とともに、医療従事者はさまざまな問題のなかで倫理的判断を迫られます。
日々直面する問題に対して、より適切な行動がとれるよう、いかに判断し、どのように行動するかを考える倫理的考察が必要とされています。
○そもそも『倫理』とは?
一般的に倫理とは、社会生活において、人として守るべきもののことを言います。それは、ルールでもあり、規範の原理です。人間は誰もが人間らしく、幸せに生きたいと願っています。そして、その欲求を自由に求めるのは生まれながらの権利です。各人が互いに相手の権利を尊重し、自分の義務を果たすことによって初めて自分の自由、権利も実現します。
そのためには、人間どうしが互いに相手のことを考えて自分を律するルールが必要となります。人間はルールを守ることによって初めて人間らしく、幸せに生きていくことが出来るようになります。倫理的行為は、その行為が相手にとって本当に良いことかどうか、相手の立場に立って状況を考えたうえで行われます。
自分がその立場に立ったとしたらこうしてもらいたいと思うようなことを相手に対しても積極的に行い、また、自分だったらしてほしくないと思うことは相手に対し差し控え、行動してはならないということです。つまり、相手の置かれた状況をよく理解し、その価値観を判断して行動するということです。また価値観は、生育環境、社会、文化、職業など様々なものの影響を受けて形成されます。
医の倫理と患者の権利とは
(インフォームド・コンセントに
ついて)
○医師の職業倫理
伝統的な医の倫理として代表されるのが「ヒポクラテスの誓い」という医療関係者は学校で必ず最初に教えらえる倫理規範です。
大昔の。。。ヒポクラテスは紀元前5世紀に生まれたギリシャの医師です。
それ以前の呪術的医療を排し、科学的視点に基づく医学を発展させる基礎をつくったといわれ、「医学の父」と称されます。ヒポクラテスの誓いには、人命を尊重し、患者のための医療を施すこと、患者らの秘密を守る義務などについて述べられています。
大昔の倫理規範がいまだベースになっているなんてすごいことですね。
それだけ、医業の倫理に関する問題は人の生死と直結する、人類の本能的なものであることの表れなのでしょう。この伝統的な医の倫理は1948年にジュネーブで開催された世界医師会総会で採択された「ジュネーブ宣言」にも受け継がれました。ヒポクラテスの誓いを現代風にアレンジしたものです。
その後、医療を取り巻くさまざまな問題に対処できるように数次の改定を経て、ジュネーブ宣言はその時代の先端医学・医療に見合った現代化したものに至っています。
(脱線ですが、スイスの国旗かっこいいですね)
この法的原則は、医療従事者から検査、治療、投薬などの医療行為の説明を受けた上で自由な意思に基づき、医療行為に「同意」したり、あるいは「拒否」したりすることができる、という患者の「自己決定権」を意味します。
『インフォームド・コンセント』が成立したと言えるためには、同意能力のある患者に対しわこれから行おうとしている医療について十分な説明を行い、対象者がその説明を十分に理解した上で自発的意思によりその医療に同意する必要があります。今では当然のことですが、昔は医療関係者も少なかったのでないがしろにされていました。(説明する時間すらないくらい過酷な現場環境だったのでしょう)
インフォームド・コンセントの成立に必要な4つの要件
①患者の同意能力
同意能力とは、受けた説明を理解し、その上で医療を受けるかどうかの自己の価値観に照らし合わせて理性的に判断出来る能力のことです。同意能力があるかどうかは、意識を喪失しているような状態たまは明らかに不可能ですし、患者が未成年者、精神障害者、知的障害者、認知症などの要介護高齢者の場合には判断が難しくなります。
また、医療行為の内容によっても理解力、判断力が異なるので複数の医療従事者で個別に判断することが必要となります。患者本人に同意能力がないと判断した場合は家族などへ説明し、同意を得なければなりません。
②患者への十分な説明
患者にその症状をよく説明し、それち応じた検査や治療について、利点だけでなく予期される望ましくない結果や代替方法についても十分な情報を提供します。その上で対象者は十分に理解し承諾して誰に強制されることなく自由な意見で検査や治療を選ぶことが出来ます。
患者に説明すべきことは、主に以下の内容となります。
・患者の病名や症状
・予想される検査や治療についての
目的や内容
・特にそれにより予想される結果やそれに伴う危険性
・予想される医療行為以外に方法があるかどうか
・検査や治療を受けないことにより起こりうる結果
③患者による説明の理解
患者が判断し、自己決定を行うためには医療従事者から受けた説明を理解することが必要です。しかし、患者の理解力、あるいは理解しようとする姿勢は個々さまざまです。どの患者に対しても同じように説明するのではなく、その患者が理解できるように説明の仕方を工夫する努力をしなければなりません。
④患者の自発的な同意
患者の同意は、正しく説明を受けたうえで、他者から強制されることなく、患者自身が進んで行うべきものでなければなりません。
◆気になることはいつでもご相談ください
長堀橋の歯医者・あい歯科では、全ての患者様に安心と納得の上で医療を受けていただけるよう、インフォームド・コンセントを重視して丁寧な説明を行なっています。そして今後もスタッフ全員で「医業の倫理」について考え続け、より良い医療の提供に努めてまいります。
少しでも気になることがございましたら、院長またはスタッフにお気軽にお申し付けください。
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