■永久歯の配列
歯を抜いたままにしておくと、隣の歯が倒れてきたり、噛み合う歯が伸びてきたりして、全体の噛み合わせのバランスが崩れてきます。そこで、抜いた歯(欠損歯)を補うため、ブリッジや義歯を入れることが必要です。ブリッジとは、欠損歯の代わりとなる人工の歯(ダミー、またはポンティックという)を、両隣の歯にかぶせる冠と一体でつくったものです(下図)。つまり、両隣の歯を土台にして、人工歯を支えるわけです。
ブリッジ以外の治療には、「部分義歯」や、「インプラント義歯」があり、それぞれメリット・デメリットがあります(下囲み)。欠損歯がそれほど多くない場合は、一般にブリッジが選択されます。
ブリッジは、土台にする歯(支台歯)がしっかりしていれば、かなり大きなものもつくれます(健康保険でも)。ただし、健康保険では欠損歯、支台歯について保険上の制約があり、その範囲でつくることが条件。材質によっても保険か自費かが分かれ、保険で白くできるのは犬歯まで(ダミーは硬質レジン前装ダミー、支台歯にかぶせる冠は硬質レジン前装冠)。強度、透明感に優れたポーセレンなどを使用すれば自費になります。
ブリッジと支台歯の境目はむし歯になりやすいので、装着後は念入りなブラッシングが必要です。また、ダミーの基底部(歯茎の側)も歯間ブラシなどで掃除することが不可欠。装着後は必ず指導を受けるようにしましょう。
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保険の金銀パラジウム合金製のブリッジ。5番のダミーの白い部分はレジン。2万円前後(ブリッジのみ。下写真も同様)。
自費のブリッジの例。4番(第一小臼歯)はメタルボンド冠。5番のダミーと6番は白金加金製(5番の側面の白い部分はポーセレン)。25~35万円ほど。
1:ブリッジ(保険、自費)
固定性なので異物感や噛むときの違和感が少ないのがメリット。ただ、支台歯となる歯は、健康であっても多く削らなければならないのが欠点。
2:部分入れ歯(保険、自費)
歯を多く削る必要はない(バネのかかる部分は少し削る)が、異物感があり、噛み心地が悪い、バネが見える、などが欠点。
3:インプラント義歯(自費)
骨に金属製の人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着する。歯を削らず、自分の歯と同じように噛めるが、術後の確実な手入れが不可欠(人工歯根を埋め込む手術と人工歯とで1本30~60万円)。