ほとんどの人は一度は、虫歯などが原因で詰め物を歯に入れた経験があると思います。
歯医者さんでは詰め物を入れた後
『綺麗に仕上がりました。』といわれて、患者様は満足してお帰りになられるのですが
その詰め物には耐用年数があるのはご存じでしょうか?
更に保険診療では保証期間が自動的に付帯されており、耐用年数と保証期間をみると
詰め物や被せ物はどれくらい持たせることが前提となっているのかがわかってきます。
詰め物・被せ物の耐用年数
・メタルの詰め物の耐用年数は5年
・メタルの被せ物の耐用年数は8年
・白いプラスチックの詰め物(CR)は5年
・セラミック(オールセラミック、オールジルコニア)の詰め物、被せ物の耐用年数は約13年
詰め物・被せ物の保証期間
・メタルの詰め物の保証期間は半年(保険診療に付帯)
・メタルの被せ物の保証期間は2年(保険診療に付帯)
・白いプラスチックの詰め物(CR)は半年(保険診療に付帯)
・セラミック(オールセラミック、オールジルコニア)の詰め物、被せ物の保証期間は5年(自由診療のため医療法人あいデンタルグループ独自)
ここで注意が必要なのは、耐用年数をオーバーしたからといって、自動的に取れたりはしないことです。
この耐用年数というのは、何かしら問題がでる可能性が高くなる時期、
たとえばとめているセメントが欠ける、詰め物が欠ける・変形する、横からばい菌が入り虫歯や歯周病になる など含めた可能性の話なのです。
必ずしも詰め物を新しくしないといけないというわけではないので注意が必要です。
基本的には、
・ものが詰まりやすくなった
・錆が気になる
・詰め物の段差が気になる
・いつ入れたかわからない詰め物が入っている
など心当たりがあったり、不具合がある場合は作り直しを検討してよいと考えられます。
また、銀歯が気になる、白くしたいなどより綺麗にしようと検討している方も新製を検討してもよいかもしれません。
定期な検診でチェック もしくは 不具合を感じたら歯医者さんに行くことで対応しましょう。
治療方法
詰め物を作り直すときは、タービンで削って取り除きます。
詰め物との隙間に溝を掘ってドライバーで外すこともあります。
詰め物、被せ物の中には様々な素材があり、もちろん固い素材のものを取り除くためには労力が必要となります。
神経のある歯では麻酔も必要になることが多いです。
除去のしやすさの順番
①CR(プラスチック製の素材)
やわらかいのでタービンで軽く削ると除去可能です
②金属の詰め物
金属自体は固いですが、表面積は大きいので、切れ込みを入れてドライバーを差し込むと比較的外しやすいです
③金属の被せもの
金属は強度は高いですが、変形するので切れ込みを入れることで簡単に除去可能です。
ただし、ブリッジなどの連結されているものは厚みも大きくなっているため時間がかかります。
④セラミックの詰め物・被せ物
歯と接着剤により強固に接着しているため、すべて削って除去します。
削る量が多いため時間がかかります
⑤オールジルコニアの詰め物・被せ物・ブリッジ
人工ダイヤモンド(ジルコニア)を主成分として使っているため
硬度が非常に高く外れにくいです。
何本もスリットを入れ、少しずつ除去します。
一本当たり15分くらい除去に時間を有します。
除去のしにくさと材料の信頼性はおおよそ反比例するので良い材料とも言うことが可能でしょう。
(外しにくい材料ほど耐用年数が長く虫歯になりにくい)
最近はセラミック・ジルコニアセラミックの性能がとてもよくなってきており、虫歯にも従来の金属より圧倒的になりにくいので、
詰め物の不具合が出てしまった機会に、全体の古い詰め物被せ物を真っ白に刷新したいといった方も多くいらっしゃいます。
年々歯科材料も発展しているので、その時代で一番良い材料を入れることは悪くないのではないでしょうか。
さらに10年後には今よりも良い材料が出ているのかもしれませんね。